これまでの経緯

苦労の末、親子の決断
苦労の末、親子の決断

2009年末、我が家では世紀末と言える時期にぶち当たっていた。  1996年、父ピエーロが亡くなり、エリサは一人で店を切り盛りしてきたが持病の坐骨神経痛が悪化、手伝い役でもある私(まし杏)は仕事もやや増えたが、仕事的にもまだ軌道に乗っている訳ではない上、父方の祖母ジュゼッピーナが危篤ゆえ急遽イタリアに仕事を置いて帰国せざる無かった。

 40周年&出版記念パーティーの直前から、エリサの膝は限界だった。お店を激痛と戦いながら出てはいたが休みは増えるばかり、 急な忙しさの最中、救急車で運ばれた事もあった。 本当に最後の決断を迫られたのは帰宅途中階段から転んだ事だった。原因は階段付近で携帯通話中の人を避け様として足を踏み外したのだった。 怪我は奇跡的に何も無かったがそれからフっと 

「私に店を辞めろって事なのかもしれないわね・・・」 エリサは言うと

その顔は ほんのり明るかった。 その数日後、イタリアから最後の通告が

「お婆ちゃんは数日に亡くなるかもしれない」と、幸い信頼できる遠い親戚パオリーニ叔父夫妻が2週間付きっ切りで居てくれたが、もう彼らも限界だった。

エリサは勿論、まだ店と決別する判断は決まらなかったが、まし安がイタリアに行って介抱する運びとなり、 ギターしか知らないまし安は、ほぼ2ヶ月、イタリアで多少のヘルパーの力を借りながら介護をしていたが 5月29日 祖母ジュゼッピーナ 永眠。 89歳だった。 その後、葬式、公的な後始末、多少の遺産が解決するのに約8ヶ月以上の期間足止めを受けた。 その間、一人でエリサはなけなしの貯金と買い物すらままに出来ない足の状態から少しづつ回復していた。 そして8月に まし安 とパオリーニ叔父さんの説得の末、閉店する事を決意した。 しかしエリサは、天性の夢追人、老後に何をしでかそうか、何処で過ごすか模索していた。 頭の中はもう"わくわく"だった。

まし安は、不手際もあったが一時帰国で4月、相続権もお座成りに強引に帰国し母と毎日相談していた。 

 

結果・・・

 

 エリサ 「まし安!私鴨川へ行く!・・・でも津波、恐いから山の方!」

 まし杏 「え!? 都内じゃなくて良いの?」

 エリサ 「足腰の事もあるし温暖ならそれで言いの、

      都会はもう嫌、お客様あっての 

      トッポジージョ(店)って言うけど

      私が頑張ってきたんだもん!

       私がお客に上手いもん食べさせて来たんだもん!!」

 まし杏 「・・・でも、、一人と猫一匹で?」

 エリサ 「勿論」

 まし杏 「鴨川って、海の見える家とかじゃなくて・・・山?

                      あるの?そんな所」

 

      数日間ネットで調べまくった結果

 

 まし杏 「大山千枚田って所に一件あったよ。

      しかも昔のうちの店みたい」

 エリサ 「大あったりー!!」

 

かくして、早速知人の不動産屋に電話して意見を仰いで見た。

「鴨川市の海の近くない場所を見つけたんですが

  どうなんでしょう?(笑)」

と聞いてみた結果

「決まらなくても一度、風土とか見てきた方が良いかも」

と日程を決めて行く事に・・・

 

 

昔のHP http://www.geocities.jp/topoelisa/

 

 

ピクニック気分で
ピクニック気分で

連れて行ってくれた人は普段はオフィス専門の不動産会社の敏腕レディー、笑顔とウィットな会話で和ませながら肝心な要点をきちんとマークされる "石釜達人"Nさんと言う方、分野も違うのに千代田区から千葉の鴨川まで車で連れて行ってくれるとは大変助かりました。 アクアラインを超え、高速で目的地に向かう車内は春の陽気もあり、夢膨らむピクニック気分・・・まし安は「あながちNさん仕事と言いつつ観光気分かも!?・・・」と邪な推測をしてしまいましたが、考える暇も無く田舎の景色に見入っていたり 「あ、狸注意標識だ!?」 とか話題が絶えません。 そのせいもあり

 「あれ?・・・道を間違えたわ」カーナビの古さが・・(笑)

とにかく無事に到着しました。 

捜索の果てに
捜索の果てに

たどり着いた場所は、まさに山に囲まれた・・・「鴨川なんで・・・ヤッホー!?」って心で叫びました(笑)。 ハイキング日和です。例の物件は黄色いし、思ったよりかなりデカイし。 庭あるし 結構、衝撃。

もともとは・・
もともとは・・

もともと、地元で有名なレストラン店舗だった物件らしい。遠見はきれいな黄色いだが近くで見ると中々、直しガイがある代物だ・・・ウッドデッキも多角的にあり、防犯の為に底が抜ける仕組みだ(嘘w)。 建物は木造だが思ったより頑丈で鉄骨で補強もされている。 これは案外掘り出し物だと・・・物好き まし杏&エリサはかなり興奮した。

歓迎
歓迎

二階のバルコニーを見学中、びっくりしたのはアマガエルの居る事いること・・・人を恐がる事も無く私も恐くなく、暢気なもんです。 今は猫だけがこれを見ると興奮します。 冬は茶色く土色に迷彩して冬眠しています。 後になって言われたが マムシもヤマカガシも出るそうだ・・・。 まぁ、こんなに蛙いれば出るわな。 とんび でも餌付けして蛇対策しとこう(笑)

今後の目標
今後の目標

とにかく、エリサ母ちゃんには目的に合った場所だった。 足が不自由になった時期一番、堪えたのは「何も出来ない事」だった。待っているだけ。 回復出来て思ったのが 「自然のリハビリで足腰を鍛える(この時はあの山に上り下り出来る)様になる事」と「体を使わないといけない環境に身を投じる」・・・ってか、「おん年75で考えることかよ」って喉仏までは出てましたが私は堪えました(笑)。ただ、エリサ持ち前のサバイバル感覚は都会の物です。 人との会話や発想、時代の先見性で、体も特に強いわけではなかった それにこの野生・自然色が強い金束ではサバイバルの論点が違います・・・大丈夫か僕は悩みました・・・が、僕も東京に住んでも月に3~5日は帰れるし。  気持ちで元気で居てくれるのが一番安心ですからね。

 

かくして
かくして

エリサの押しもあり、まし杏(私)はすんなり決断する事にしました。早くに引越しを完了し、自分の引越し先も都内で考えないといけませんでしたから。 その後、不動産屋の計らいで植木を抜いてくれたのですが、水道管も抜いてくれたみたいで(笑)。 根っこが絡まってたらしいのです。 結局、都合よく不要な箇所だったのでその水道管は封しました。